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婦人科

Gynecology

PMS(月経前症候群)と漢方

PMSって何?

◆ PMS(月経前症候群)

PMS(月経前症候群:Premenstrual Syndrome)は、月経1~2週間前に起こる様々な体調不良のことで、月経が始まってしまえば、自然に楽になってしまう症状の集まりのことです。

◆ PMDD(月経前不快気分障害)

PMDD(月経前不快気分障害:Premenstrual Dysphoric Disorder)は、PMSの症状の中でも、精神的な症状が特に重く、生活に支障が出る症状のことをいいます。
うつ症状(やる気の減退、絶望感や自己卑下、涙がとまらない等)や反対にイライラする、持続的に怒りっぽい、攻撃的になるなど、過激な症状がみられ、感情の爆発を周囲にぶつけて人間関係に悪影響をもたらすこともあります。

PMSの症状は?

◆ 身体的な症状と精神的な症状

月経周期ごと高温期の1~2週間にわたって、生活に支障をきたすような症状があらわれます。
症状には身体的なものと精神的なものが見られます。

●身体的症状

下腹部膨満感、下腹痛、頭痛、乳房痛、乳房が張る、腰痛、関節痛 むくみ、体重増加、脚が重い、 にきび、めまい、食欲亢進、悪心、 ほてり、便秘あるいは下痢、動悸など

●精神的症状

怒りやすい、イライラ、憂鬱、緊張、判断力低下、不決断、無気力、不眠疲れやすい、パニック、妄想、集中力低下、涙もろい、孤独感など

上記以外にも様々なものがあり、複数の症状があらわれることもあります。
(症状は人によって様々です。)

PMSとホルモンバランス

月経周期

PMSの原因は主に性ホルモンのバランスの失調と考えられており、図の基礎体温表の様に排卵後の高温期にPMSは起こります。
高温期は黄体期ともいい、黄体ホルモンである プロゲステロンが増える時期です。
プロゲステロンには水分を溜めたり、体温を上げる作用があるので、このホルモンのバランスの失調が影響していると考えられています。
ほかに脳内の神経伝達物質であるセロトニンは、月経前になると低下することがわかっています。そのため精神的な症状が出るのと考えられています。

PMSの西洋医学的治療

主に薬物療法が行われています。

1.ビタミン剤・ミネラル

ビタミンB6・カルシウム・マグネシウム・ビタミンEなど

2.抗不安薬

精神安定剤(デパスなど)

3.抗うつ薬

選択的セロトニン再取り込み阻害薬などで月経前の脳内セロトニンの量を増やすお薬です。

4.経口避妊薬(低用量ピル)

少量の卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲスチン)を含んだもので、排卵させないホルモン剤です。

漢方(中医学)で考えるPMSと漢方薬

◆ 漢方においてPMSは「肝(かん)」の機能失調

漢方で言う肝とは、全身の「気(き)」や「血(けつ)」などの流れのバランスを調節している場所のことです。

肝

肝の機能が低下すると「気滞(きたい)」と呼ばれる気の流れの滞りがおこります。気滞がおこると全身に気が行き渡ら なくなるので、乳房が張る、腹部膨満感等の身体的症状や落ち込む、イライラするいった精神的症状があらわれます。
PMSの場合、気滞によって女性ホルモンの変動がうまくいっていないと考えらます。こうして起こる精神的症状を『血の道証』といいます。 このような方には、気の流れを良くする「疏肝理気(そかんりき)」の作用のある漢方薬を用います。

「瘀血(おけつ)」と呼ばれる血の滞りもおこります。瘀血がおこると全身に血が行き渡らなくなり、肩こり、ふらつき等の身体的症状や不眠、緊張等の精神的症状があらわれます。このような方には血液の流れを良くする「活血化瘀(かっけつかお)」の働きのある漢方薬をもちいます。

また、肝の機能は正常でも「気」や「血」が不足している「気虚(ききょ)」や「血虚(けっきょ)」の状態でも全身に気や血が行き渡らないため 貧血や肉体疲労など様々な症状がおこります。
このような方には、「補気薬(ほきやく)」や「補血薬(ほけつやく)」と呼ばれる分類の漢方薬をもちいます。

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