漢方(中医学)で考える「髪」
◆ 髪は「腎の華(はな)」
髪は腎の華といわれ、五臓六腑の腎が髪の状態を管理していると考えられています。腎の働きの弱い人や血液の状態が悪い人は、髪にトラブルが発生します。老化現象や、ホルモンバランスの乱れから、抜け毛や白髪などの現象が見られます。腎は老化やホルモンと深い関係があると言われています。腎を強化することによって、このような現象に対応することが出来ると考えられています。
◆ 髪は「血餘(けつよ)なり」
また、髪は「血餘(けつよ)なり」といわれます。女性で髪のパサつきが気になるなどの現象は、血液不足が大きな原因です。髪は全身をめぐる血液の余ったものからなっていると考えられているためです。血液が充満してこそ髪はしなやかさを保つのです。まずは血液を増やしていくことが先決です。
髪のトラブルは漢方薬で解消!◆タイプ別に分析◆
◆ 薄毛・抜け毛
〜原因は、3つのタイプに分けられます。
1.血虚(けっきょ)
髪が細くて薄く見えるタイプ
このタイプの方は、血液を補いましょう!
髪は血液の余りと考えられています。髪のこしが無い、パサつ気になる方が多いです。改善には髪の原料となる血液を補給します。
2.腎虚(じんきょ)
実年齢より老化が進んでいるタイプ
このタイプの方は、腎を補います!
老化と深い関係のある腎が弱っています。体質に合わせた補腎の漢方を中心にして、冬虫夏草、亜鉛をプラスします。
3.湿熱(しつねつ)
頭皮がベタベタするタイプ
このタイプの方は、余分な熱や湿気を取り除きます!
体に溜まった湿気とこもった熱が頭皮の油が多い状態。
余った熱や湿気を取り除き頭皮の環境を整えます。
◆ 白髪
〜最近白髪が気になって〜腎の弱さによるものが大きな原因です。
腎虚(じんきょ)
実年齢より薄いタイプ
このタイプの方は、腎を補います!
老化と深い関係のある腎が弱っています。体質に合わせた補腎の漢方を中心にして、旱蓮草や女貞子、カルシウム、亜鉛をプラスします。
◆ パサつき
〜血液不足が原因です。
血虚(けっきょ)
髪が細くて薄く見えるタイプ
このタイプの方は、血液を補いましょう!
髪は血液の余りと考えられています。髪のこしが無い、パサつ気になる方が多いです。血を補う補血薬を中心に艶を出す哈士蟆油(はしまゆ)やしなやかさをだすコラーゲン、カルシウムを補給します。
◆ くせ毛
〜ケラチンの不足が原因です。
1.血虚(けっきょ)
髪にこしが無いタイプ
このタイプの方は、血液を補いましょう!
髪は血液の余りと考えられています。髪のこしが無い、パサつ気になる方が多いです。血を補う補血薬を中心に必須アミノ酸のメチオニンや亜鉛を補給します。ケラチンはアミノ酸のシスチン(システイン)が主な構成成分です。シスチンはメチオニンから体内で合成されます。肝機能が衰えると、シスチンは合成されにくくなります。また飲酒後、アルコールを分解してできたアセトアルデヒドの無毒化にシスチンは使われるため、お酒は控えましょう。またケラチンを合成するために亜鉛が必要になるので、亜鉛も補います。
毛髪について
◆ 毛髪の医学的メカニズム
毛髪は生物組織学的に見ると皮膚の一部で、ただ単に皮膚の上に生えているのでなく、発生学的には、皮膚がそこだけ変形して毛髪という形になったものです。受精してから第三週までには外胚葉、中胚葉、内胚葉の三層に別れ、そこからさらに急速に分化が進んで順次、体の各組織が出来上がって行くのです。この中で、外胚葉は皮膚、毛、脳、神経系へと分化していきます。皮膚や毛が人間の中枢の脳や神経と同じ胚葉から分化して出来ていますから、心理状態が皮膚や毛髪にいろいろな影響を与えるということには説得力があります。
◆ 頭皮の構造

皮膚面から出ている部分を毛幹部、皮膚面に埋没している部分を毛根部といいます。毛根部の膨らんだ部分を毛球といい、毛球の底はくぼんでいます。このくぼみに真皮が入り込み、とがった毛乳頭を形成しています。この毛乳頭が毛髪の発育に大切な役割を果たしているのです。毛乳頭には神経や、毛細血管が入りこんでいます。ここで栄養分を取り入れ、毛母細胞は成長して分裂を繰り返し、分裂した新しい細胞は上へと角化しながら押し上げられていきます。毛髪は毛小皮(毛表皮)、皮質、髄質と分かれて成長し毛幹部を形成します。毛根部は毛母細胞から細胞分裂を繰り返しながら上に押し上げられている状態では、生きた細胞といえますが、分裂が止まり完成された状態の毛幹部は生きた細胞でなく、角化した死んだ細胞ということになります。このように、毛髪は生きている部分と死んでいる部分があり、角化して死んでいる毛幹部が、太くて光沢があり、生き生きとしている状態の毛髪は、毛母細胞の成長が盛んでよく栄養が行き届いている毛髪といえます。
◆ ヘアサイクル

毛乳頭の数は、生まれたときにすでに決まっています。毛髪は毛乳頭がなければ生えてきませんから、毛乳頭が衰え、その数が減ると毛髪の数も減ります。毛髪の脱毛には、自然脱毛と異常脱毛があります。毛乳頭は絶えず活動しているのではなく、ある一定期間成長して一時休止します。成長期→退化期→休止期→発生期となり、これがヘアサイクルと呼ばれます。毛髪の寿命は、男性3〜5年、女性4〜6年休止期にある脱毛予備軍は、全体の15%といわれ、大体4ヶ月以内に脱落すると考えると、1日平均80本の自然脱毛があると考えられます。
◆ 毛髪の構造

一番外側の毛表皮は屋根瓦のように重なっていて、これが中の皮質を保護するように取り巻いています。中心に髄質があります。
- 毛小皮(キューティクル)
- 皮質(コルテックス)
- 髄質(メジュラ)
毛髪は、大部分がたんぱく質(80〜90%)で、残りがメラニン色素、脂肪、微量元素(亜鉛、銅など)から成り立っています。 この主成分であるたんぱく質は、シスチン14〜18%を含んだケラチンという物質です。