生命の源『腎(じん)』
「腎」は、現代医学でいう腎臓の機能にとどまらず、広く生殖器系、ホルモン系、中枢神経系、免疫系、造血系などの機能も併せ持った、生命の源と考えられています。
◆ 腎は精を貯蔵する

「精」とは、生命を維持するエネルギーの事です。精には親から受け継いだ「先天の精」と、飲食物から得た「後天の精」がありますが、どちらも究極は腎に貯えられて、成長発育と生殖の源となります。骨、歯、毛髪および全身の成長・発育といった新陳代謝の促進。女性の排卵、月経、男性の精子を作る能力といった生殖の機能。これらは全て、腎が貯蔵している精の働きによるものとされています。この機能が衰えると、老化が早く進み、不妊・インポテンスなどの生殖機能の低下、骨の粗鬆化(もろくなる)、また、糖尿病、アレルギー性疾患、高脂血症など、ホルモンや代謝の失調が原因となって起こる病気になりやすくなります。
◆ 特徴
精力減退、不妊、閉経、ED(インポテンツ)、足腰がだるい、健忘、耳鳴り、難聴、尿の出が悪い、尿が近い、残尿感、午後に微熱が出やすい、脱毛や白髪が年齢不相応に多い、糖尿病などといった症状が見られます。
腎虚のタイプ
| タイプ | 症状 | 漢方薬 |
|---|---|---|
| ショボショボ型 | 目の疲れ・目の乾燥・視力低下 | 杞菊地黄丸 (こぎくじおうがん) |
| カサカサ型 | 口やのどの渇き、かゆみ、腰痛、空咳 | 八仙丸 (はっせんがん) |
| クヨクヨ型 | 不眠・動悸・不安感 | 天王補心丹 (てんのうほしんたん) |
| のぼせ型 | 顔や手足のほてり | 瀉火補腎丸 (しゃかほじんがん) |
| 芯の冷え型 | 体の芯が冷えている感じ・常に厚着 | 八味地黄丸 (はちみじおうがん) |
腎虚に使う漢方薬
◆ 腎を強化する漢方
杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)

効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりやロ渇があるものの次の諸症:かすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力低下
双料杞菊顆粒(そうりょうこぎくかりゅう)

効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、尿量減少又は多尿で、ときに手足のほてりやロ渇があるものの次の諸症:かすみ目、つかれ目、のぼせ、頭重、めまい、排尿困難、頻尿、むくみ、視力低下
杞菊妙見丸(こぎくみょうけんがん)

効能・効果
体力中等度以下で,疲れやすく胃腸障害がなく,尿量減少又は多尿で,ときに手足のほてりや口渇があるものの次の諸症:かすみ目,疲れ目,のぼせ,頭重,めまい,排尿困難,頻尿,むくみ,視力低下
八仙丸(はっせんがん)

効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、ときにせき、口渇があるものの次の諸症:下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、頻尿、むくみ、息切れ、からぜき
天王補心丹(てんのうほしんたん)

効能・効果
体質虚弱な人の下記の諸症:不眠、不安感、肩こり、息切れ、動悸、口渇、便秘
瀉火補腎丸(しゃかほじんがん)

効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、口渇があるものの次の諸症:顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみ
八味地黄丸(はちみじおうがん)
効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすくて、四肢が冷えやすく、尿量減少又は多尿でときに口渇があるものの次の諸症
下肢痛、腰痛、しびれ、高齢者のかすみ目、かゆみ、排尿困難、残尿感、夜間尿、頻尿、むくみ、高血圧に伴う随伴症状の改善(肩こり、頭重、耳鳴り)、軽い尿漏れ