不眠症と漢方薬

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白ロゴ不眠症について?

不眠症とは、よく眠れない、ちっとも眠れない、一睡もできないと患者さんが訴える病気です。仮に、よく眠っていても本人が眠っていないといえば不眠症ということになります。わたくしたちは、平均的な睡眠時間は8時間、人生の1/3は布団の中と教わって育ってきました。しかし、現実には5~6時間しか眠らなくても平気な人もいれば、10時間くらい眠らないと満足しない人もいます。不眠症では、たんに睡眠時間の長さだけではなく、朝目覚めたときの不満感、不快感、1日を通しての日常生活への支障の度合いなどが問題になります。すなわち「睡眠時間の短さ」を「睡眠の質の悪さ」の二つの要素が考えられます。睡眠の質とは、眠りに対する満足感のことで眠りの深さといってもよいでしょう。

白ロゴ不眠症の4つのタイプ

不眠症には、入眠障害、中途覚醒、早朝覚醒、熟睡障害の4つのタイプがあります。

◎入眠困難

寝つけないタイプ。入眠するまでに数時間、ひどいと明け方までかかることも。

◎中途覚醒

寝ついても真夜中に起きてしまい、その後、眠れないタイプ。

◎早朝覚醒

寝ついても早朝に起きてしまい、その後、眠れないタイプ。

◎熟眠障害

睡眠時間はしっかりとれているが、眠りが浅く眠れた感のないタイプ。

白ロゴ漢方で考える不眠症

◎漢方では『心(しん)』『肝(かん)』『脾(ひ)』の状態を考える

中医学において不眠症は、主に3つの臓腑(心・肝・脾)が関係していると考えられています。何らかの原因でこれらの臓腑の働きがうまくいかないと、身体のバランスが乱れ、不眠の症状が現れます。臓腑に影響を与える原因としては、疲労、傷病、精神的ストレス、生活の乱れ、女性であれば月経など様々です。

◎心は神を蔵す

心漢方では様々な精神活動のことを『神(しん)』と言います。心はいわゆる心臓の働きをしているところですが、精神を安定させているところでもあります。特に養分の豊富な血(けつ)を全身に送る場所のため、血が多く集まる場所です。この血から神の養分も現れているため、心の機能失調で血が不足すると、神の養分不足となり不眠につながります。

また血の不足状態が続くと心の潤いが不足し、熱症状が現れます。神が熱の影響を受けると精神的に興奮した状態になりイライラしたり、寝つきが悪くなったりします。

 

◎肝は血を蔵す

肝肝は、血の貯蔵庫の働きをしています。血が充実しているとしっかりと働きます。血の浄化を行う場所でもあり、浄化された血は精の材料となります。また全身を流れる気血のバランスを調節しています。気血は全身の働きで使われています。つまり肝の機能が低下すると身体が浄化されなかったり、気血の流れが悪くなるため、精神的、身体的に不調が生じます。血の不足による神の養分不足による不眠、血の浄化がされず不要物から生じる熱が、神に影響を与えるために精神的興奮が起こります。

 

◎栄養を取り込む脾

脾脾は、主に食事によって摂取した飲食物を消化吸収し、気や血の元になる栄養を得る胃腸の働きを行っている場所です。脾の状態が悪くなると、血の生成低下が起こり、結果、心や肝の血不足となります。また暴飲暴食やストレスなどで正常に消化吸収がされないと、胃に食物が留まる食滞(しょくたい)と呼ばれる状態が起こります。この状態では、胃がムカムカしたり、ゲップや吐き気のため、ゆっくり横になれず不眠につながります。また食帯が長引くと、熱を生じるため神に影響を与え、不眠になります。

 

◎腎(じん)の機能低下も心に影響を与える

腎腎は水分の調節を行っている臓腑です。水分のバランスをうまく取れなくなると腎陰虚(じんいんきょ)と呼ばれる身体の潤い不足が起こります。この結果、心の潤いが不足して熱が発生し、不眠の症状が現れます。高齢になってくるとトイレが近い、耳が遠くなるなど、腎の働きが低下した症状が現れやすくなります。高齢になって睡眠が短くなる原因の一つと考えられます。

 

白ロゴ不眠の漢方治療

漢方では不眠を『虚証(きょしょう)』(不足タイプ)と『実証(じっしょう)』(過剰タイプ)で分類して、どの臓腑で過不足が起きているかを考え、適切な漢方薬を選択して改善していきます。

使われる漢方薬には、依存性がないので安心して服用できます。

◎虚証(不足タイプ)

1.肝鬱血虚(かんうつけっきょ)
・・・疲労やストレスなどで、心血が不足したタイプ
2.心脾両虚(しんぴりょうきょ)
・・・胃腸が弱く、心血を補う力が弱いタイプ
3.心腎不交(しんじんふこう)
・・・慢性疲労や老化などで、心の潤いが不足しているタイプ

◎実証(過剰タイプ)

1.肝火上炎(かんかじょうえん)
・・・ストレスなどで気の流れが滞り、熱を生じて興奮しているタイプ
2.痰熱内擾(たんねつないじょう)
・・・偏食や臓腑の機能失調により、湿(しつ:余計な水分)が体内に停滞して、濃縮されて痰(たん)になり、熱を生じたタイプ
3.胃気不和(いきふわ)
・・・胃腸虚弱や暴飲暴食などで、胃内に食物が滞っているタイプ

白ロゴあなたの不眠はどのタイプ?

下記の体質チェックシートの当てはまる症状をすべてチェックしましょう。
A~Fのタイプのうちスコアの一番大きかったタイプが、あなたの不眠のタイプに近いものです。A~Fのタイプが複数当てはまることもあります。

◎体質チェックシート

Aタイプ
スコア
Aタイプの不眠はこちら
Bタイプ
スコア
Bタイプの不眠はこちら
Cタイプ
スコア
Cタイプの不眠はこちら
Dタイプ
スコア
Dタイプの不眠はこちら
Eタイプ
スコア
Eタイプの不眠はこちら
Fタイプ
スコア
Fタイプの不眠はこちら

白ロゴ記事監修

宮下洋輔

宮下 洋輔(Yosuke Miyashita)

  • ・薬剤師

不眠対策の漢方

不眠症の漢方薬

◆ 睡眠を改善する漢方薬

酸棗仁湯(さんそうにんとう)

効能・効果
体力中等度以下で、心身が疲れ、精神不安、不眠などがあるものの次の諸症:不眠症、神経症
心脾顆粒(しんぴかりゅう)
心脾顆粒
効能・効果
貧血、不眠、健忘
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
逍遙顆粒
効能・効果
体力中等度以下で,肩がこり,疲れやすく精神不安などの精神神経症状,ときに便秘の傾向のあるものの次の諸症:冷え症,虚弱体質,月経不順,月経困難,更年期障害,血の道症,不眠症,神経症
天王補心丹(てんのうほしんたん)
天王補心丹
効能・効果
体質虚弱な人の下記の諸症:不眠、不安感、肩こり、息切れ、動悸、口渇、便秘
温胆湯(うんたんとう)
十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
効能・効果
体力中等度以下で、胃腸が虚弱なものの次の諸症:不眠症、神経症

おすすめの健康食品

不眠症の健康食品

◆ 琥珀配合食品

ミンハオ
ミンハオ
特徴:
ミンハオに含まれる琥珀が、珍珠母(真珠母貝の真珠層)や短梗五加果(満州胡桃の実)と共に、気持ちをリラックスさせてくれます。

◆ ハーブティでリラックス

シベリア人参茶
シベリア人参茶
特徴:
シベリア人参は、その名の通りシベリアに自生する植物「エレウテロコック」の根。ほんのり身体が温まり、リラックスできます。

◆ 胃腸を助ける植物性酵素食品

晶三仙(しょうさんせん)
晶三仙
特徴:
甘酸っぱい風味で、胃腸にスッキリ感を与えてくれます。

◆ 栄養不足の方には牡蠣肉エキス

東西オイスター
東西オイスター
特徴:
食生活が偏って、栄養が十分摂れていないときには、栄養価の高い牡蠣肉エキスがお勧め。

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