更年期障害と漢方薬

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白ロゴ更年期障害ってどんな病気なの?

コスモス更年期障害とは、閉経前の40~50代の女性の約6割に起こるといわれる女性ホルモンの減少による様々な症状を言います。更年期障害の主な症状としてイライラ、焦燥感、不眠、ホットフラッシュ、動悸、発汗、頭痛など全身に不快な症状が現れます。これにより対人関係が上手くいかなくなり、ストレスが増えたりうつ症状へとつながってしまうこともあります。

白ロゴ西洋医学では?

◎西洋医学的に原因はなんですか?

女性ホルモンであるエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌が卵巣機能の低下により減少し、これに対してホルモンの分泌を指令している視床下部がエストロゲン低下に反応し、卵胞刺激ホルモンをさらに分泌してしまいます。
この、視床下部は自律神経の調整ともかかわりがあるため、卵胞刺激ホルモンの過剰分泌の影響で自律神経が失調をきたします。これにより更年期の様々な不調が現れると言われています。

◎病院での治療法は?

婦人科等での更年期に対する治療法は主にホルモン補充療法(HRT)です。これは内服薬や貼布剤によりホルモン(エストロゲン)を補充することで更年期症状を軽減するといった治療法です。これによりのぼせ・発汗・ほてりなどの不快な症状を改善することができますが、リスクとして血流障害、肝機能障害や子宮がん、乳がん等の発症率が高くなることがあるため服用前や服用後も定期的に様々な検診を受けなければなりません。
また、その他の副作用でも胸や腹部の張り、むくみ、悪心など様々なホルモン剤による影響があります。

 

白ロゴ更年期障害を漢方(中医学)で考える

◎更年期障害は『腎』と『肝』の働きの低下!

漢方(中医学)では更年期障害を老化により『腎(ホルモンをつかさどる臓腑)』の働きが弱まったことによる症状と考えます。
この腎という臓は西洋医学でいう「腎臓」のとらえ方とは少し異なります。というのも、腎は「精を蔵す」と言われ、両親からもらった生命エネルギー(先天の精)と飲食物から得た生命活動に必要なエネルギー(後天の精)を蓄えるとされ、発育や生殖と関係しています。骨の代謝にも関わり、更年期以降の女性が骨粗鬆症になりやすいのも、腎の機能低下のためです。
その他に体内の水分を調整したり、骨髄や脳髄を管理し、耳ともつながりがあると考えられています。さらに、腎の機能がが充実することで髪に十分な栄養を与えられると言われています。

閉経前の女性はこの「腎精」が不足することによる疾患とされます。腎精が弱まるとともに、腎の働きの1つである水分調整の働きも弱まり体の潤いが減ってしまいます。この潤い不足によりのぼせ・不眠・動悸などの症状が起こってしまいます。さらに「精血同源(せいけつどうげん)」といわれ、腎精が不足することにより肝(血液の浄化や貯蔵、情緒と関係が深い「気の巡り」とも関係のある臓腑)の血にも不足が起こり、肝のトラブルも併発してしまいます。主な症状は、イライラ・ホットフラッシュ・片頭痛などです。

◎まとめ

更年期障害の根本は「精と血の不足」ですので肝と腎を補う(肝腎双補)をベースにイライラなど精神症状が強い場合は肝の気の巡りを良くするものを使ったり、潤い不足によるのぼせが強い場合には潤いを加え、不足による熱を冷ますものを使うなどその方に合った組み合わせで不快な症状を緩和します。
また腎の働が弱まるため生理不順による症状も見られますのでこちらもしっかりケアすることが大切です。

◎よく使われる更年期障害の漢方薬

女性ホルモンの乱れや減少により月経周期が乱れます。月経不順に使われる婦宝当帰膠や逍遙顆粒などを用います。ほてり症状には、杞菊地黄丸や瀉火補腎丸をおすすめすることもあります。血圧が高くなってしまい頭痛やめまいがする方には、冠元顆粒などを用います
ストレスもこのような症状を悪化される原因となりますのでなるべく一人で抱えこまず、体の症状以外のメンタル的な部分もじっくり御相談ください。

白ロゴ記事監修

宮下洋輔

宮下 洋輔(Yosuke Miyashita)

  • ・薬剤師
更年期障害に使われる漢方薬

更年期に使われる漢方

◆ 月経不順に対する漢方

婦宝当帰膠B(ふほうとうきこう)
婦宝当帰膠B
効能・効果
冷え症、貧血、生理不順、生理痛、腰痛、腹痛、肩こり、頭痛、めまい、のぼせ、耳鳴り
逍遙顆粒(しょうようかりゅう)
逍遙顆粒
効能・効果
冷え症,虚弱体質,月経不順,月経困難,更年期障害,血の道症,不眠症,神経症
加味逍遙散(かみしょうようさん)
加味逍遥散
効能・効果
体質虚弱な婦人で、肩がこり、疲れやすく、精神不安などの精神神経症状、ときに便秘傾向のある次の諸症:冷え性、虚弱体質、月経不順、月経困難、更年期障害、血の道証。

◆ ほてりに用いる漢方

杞菊地黄丸(こぎくじおうがん)
杞菊地黄丸
効能・効果
疲れやすくて、顔・手足がほてり、尿量減少又は多尿で、ときに口渇があるものの次の諸症:疲れ目、かすみ目、のぼせ、めまい、頭重、排尿困難、頻尿、むくみ
瀉火補腎丸
(しゃかほじんがん)
瀉火補腎丸
効能・効果
体力中等度以下で、疲れやすく胃腸障害がなく、口渇があるものの次の諸症:顔や四肢のほてり、排尿困難、頻尿、むくみ

◆ 高血圧による症状に対する漢方

冠元顆粒(かんげんかりゅう)
冠元顆粒
効能・効果
頭痛、頭重、肩こり、めまい、動悸

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