基礎体温で、自分のカラダがわかる
◆ 低温期・高温期を知ろう
基礎体温(BBT:basal body temperature)は、朝目覚めて起き上がる前の安静状態で、舌の下で測った体温です。これを体温表につけてグラフにしたものが基礎体温表です。
月経開始日から次の月経開始日の前日までを1周期とすれば、周期の前半と比べて後半は0.3〜0.5℃ほど高い基礎体温になるのが正常です。周期の前半の低温期(卵胞期)は、卵巣内では卵胞が発育し、子宮では子宮内膜がはがれ落ち(月経)、再度、厚くなる時期にあたります。後半の高温期(黄体期)は、卵巣内では排卵後の卵胞が黄体になり、黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する時期です。この時期は、黄体ホルモンの働きで、子宮内膜が柔らかくし、また子宮内膜を維持します。
周期後半に基礎体温が高くなるのは、黄体ホルモンが視床下部にある体温調節中枢に働くためです。
◆ 視床下部‐脳下垂体‐卵巣のホルモン分泌が順調かわかる
妊娠・出産を待ち望んでいる女性にとって、はっきりとした高温期が現れることが絶対に必要です。
受精卵を確実に着床させ、胎盤形成までの養育を維持し、流産を防ぐためです。
低温期から少なくとも0.3℃の差がある高温期へ1〜2日で急激に移行し、10日以上安定的に維持しなければいけません。はっきりとした高温期があれば、脳の視床下部‐脳下垂体‐卵巣からなるホルモン分泌系がしっかりと働き、卵胞成熟→排卵→黄体形成という一連の過程が順調に進んでいることを示しています。
◆ 基礎体温表のパターン
- 1.正常型
- ●後半は前半より0.3℃高い(平均0.3〜0.5)
- ●高温期は12〜14日間
- ●上昇時、一気に上がる
- 2.ダラダラ型
- ●ゆっくり高温になる
- ●一応排卵があるが排卵日が分かりにくい
- 3.凸状型
- ●高温期の両側、前後が低いタイプ
- 4.凹状型
- ●高温期に低温期が混じるタイプ
- 5.階段状型
- ●高温期に一段一段のぼるタイプ
- 6.高温期低温型
- ●高温期の体温が低いタイプ
- 7.高温期短期型
- ●高温期が低く、短いタイプ
- ●黄体不全または無排卵
- 8.無排卵型
- ●高温期を形成しないタイプ
記事監修
猪越 英明(Hideaki Ikoshi)
- ・元 東京薬科大学薬学部
中国医学研究室 准教授 - ・医学博士
- ・薬剤師
猪越 洋平(Yohei Ikoshi)
- ・鍼灸師
- ・按摩マッサージ指圧師
- ・国際中医専門員
- ・中医手技療法士
- ・医薬品登録販売者
- ・元NHK学園 漢方・経絡講座講師