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ケース1 頭痛
頭痛
若いころから頭痛持ちでしたが、最近では生理の前に頭痛に悩まされるようになりました。なぜでしょうか?
血管はふだんから収縮拡張を繰り返していますが、限度を超えた拡張のために起こる頭痛を血管性頭痛と呼びます。なぜこのようなことがおこるのかはまだ解明されていません。二日酔いや高熱の時の頭痛がこれに入りますが、このタイプの代表がいわゆる片頭痛です。筋収縮性の頭痛は、頭蓋骨外側の筋肉が精神的ストレスなどによって長時間収縮しっぱなしになると、血管がしめつけられ、血流が悪くなり、老廃物がたまって頭痛が起こります。あなたの場合、以前から頭痛持ちだと言われるのはどちらの頭痛でしょうか。生理の前後に起こる頭痛は中国医学でいう血虚頭痛で、増血することによって治りますからそれほど心配はありません。ただ、このタイプの頭痛と間違えやすいのが脳腫瘍の頭痛です。これはあまり特徴のない頭痛で、何ヶ月かの間に徐々に痛みが強くなります。中年女性に多いので、ご心配なら脳神経外科で検査を受けるといいでしょう。
血管性頭痛、いわゆる片頭痛の痛みは発作といえるほどの激しいものです。視野の一部が欠けてその周辺がギラギラしたり、こめかみのあたりから痛みが広がっていきます。頭半分だけ痛むことが多いので片頭痛といわれますが、中には全体が痛む場合もあります。痛みが頂点になると吐き気がして実際に嘔吐する事もありますがこれが終わるとウソのように楽になります。夏の夕立ちのような痛みですが、人によっては5~6時間から1日続きます。ふだんはなんともなくて周期的にこれを繰り返します。一方、筋収縮性頭痛はだらだらとした痛みが四六時中続き、晴れることはなく、梅雨にたとえられるような痛みです。
現代医学では鎮痛剤や筋弛緩剤を用いますが、中国医学では根本から原因を除いて治すため、個人の体質と症状の関係を重視します。生理の前後に起こる頭痛は、ほとんどが血虚頭痛で鎮痛剤が効きません。これには貧血状態を改善する治療を行います。十全大補湯や参茸補血丸、婦宝当帰膠、帰脾湯などの中から体にあったものを用います。薬を続けると血虚症状は2~3か月でかなり改善します。 充血を伴う熱性の頭痛は熱を冷まし、充血をとる黄連解毒湯や三黄瀉心湯を。ストレスに弱い人は抑肝散や逍遙散を。冷え症で顔色が青白い人の場合、体を温め胃腸の働きを強めて血液循環を改善する呉茱萸湯を用います。首や肩のこりが強い瘀血による頭痛は冠元顆粒などで瘀血を除いて治します。
分類 | ||
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記事監修
猪越 恭也(Yasunari Ikoshi)
- ・薬剤師
- ・東京薬科大学附属
社会医療研究所 教授 - ・長春中医薬大学
客員教授 - ・日本中医学会理事
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