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ケース6 イライラ・ヒステリー
イライラ
ヒステリー
時々わけもなく気分が苛立ちます。職場で煙たがられているのがわかりますが、どうしていいかわかりません。
気分がむしゃくしゃして、まわりの人に当たり散らすのは体に問題があることが多いのです。人格そのものに問題があるわけではありません。それに、まわりの人間に煙たがられていることを自覚しているうちはまだ救いがあります。
女性の場合、月経前緊張症候群としてのヒステリーは少なくありません。これは肝臓が血液に栄養を与える作用、解毒作用などの働きが低下して精神に影響を与え、抑うつ状態が起こるためと考えられます。
更年期によく見られるのどの詰まり感はヒステリー球ともいい、これもやはり肝機能の低下によって水分代謝異常が起こり、のどの粘膜がむくむ状態と考えられます。
イライラやヒステリー球は感情のコントロールができずに爆発させてしまう状態です。
ヒステリー球は病院で調べてもらっても「のどには何もありません。気のせいですよ」と言われるのがオチです。
これは、のどに腫瘍やポリープが発見されないからです。
イライラやヒステリーは肝臓の働きを立て直すことによって治します。
それには逍遙散や抑肝散などを用います。
ヒステリー球には、肝を正常にして、水分代謝を改善させる半夏厚朴湯を用います。
この処方には紫蘇の葉が入っており、煎じるとよい香りがして、この香りをかぐだけでもヒステリー球がとれることがあります。
最近、アロマセラピーが話題になっていますが、薄荷や紫蘇など、芳香性のある成分は精神を開放して、気分を爽快にする働きがあります。
半夏厚朴湯には紫蘇のほかに厚朴という香りのよい樹皮も含まれています。また、肝機能を高める逍遙散には薄荷と当帰が一緒になったとてもよい香りがします。香りのもたらす作用を「理気作用」といいます。
焦燥感が強い時には、抑肝散を用います。ヒステリーが高じると失神したり、筋肉がけいれんしますが、この薬は肝臓を強化して筋肉のけいれんや硬直をとります。
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記事監修
猪越 恭也(Yasunari Ikoshi)
- ・薬剤師
- ・東京薬科大学附属
社会医療研究所 教授 - ・長春中医薬大学
客員教授 - ・日本中医学会理事
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