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ケース13 生理痛
生理痛
生理の前日から二日目あたりまで生理痛がひどく、鎮痛剤を飲んでいます。根本的な治療は可能ですか。
生理の前後になると程度の差はありますが、多くの女性は体の不調や気分の落ち込みなどの不快感を訴えます。女性の一生で生理があるのはざっと40年。この間、生理のたびに同じような症状に悩まされているわけではありません。症状が比較的重いのは成長過程にある若いうちで原因の多くは子宮の発育不全ですから成熟とともに痛みは緩和してきます。とはいっても、ひどい痛みを我慢することはありません。鎮痛剤で一時しのぎするのではなく、きちんと治療をしておくことです。20代後半になっても生理痛が続く人は子宮の発育が悪く、内臓下垂タイプが多いようです。また、30代以降の女性で突然ひどい生理痛に見舞われるようになった場合は子宮筋腫、子宮内膜症などの婦人科疾患を疑います。
中国医学では痛みがあるときは体内で何らかの流通障害が起こっていると考えます。
例えば関節に水がたまったり、静脈瘤で静脈血の流れが滞るとふくれて痛みます。体内には血液、体液、神経伝達などの流通経路があり、これらが停滞するとそこに痛みが発生します。生理痛は血液の流れが順調でないときに起こるのです。
血液の停滞を中国医学では瘀血(おけつ)、あるいは古血といいます。これは血液の粘度が増し、ドロドロと滞った状態をいいますが、食生活と運動不足が関係します。瘀血が発生すると「しこる、黒ずむ、痛む」という三大症状が起こります。多くの生理痛は瘀血が原因となっています。このほか、精神的ストレスが続くと血行が悪くなり、二次的に瘀血が発生することがあります。さらにストレスからホルモンバランスの失調を招いて起こる生理痛もあります。
生理痛といっても痛むのは生理の前日、初日、2日目〈らいで、血液が順調に流れ出してしまえば、痛みは軽減します。
下腹部の痛みや腰痛以外にむくみ、下半身の脱力感、下腹部の膨満感などがあります。また月経血にレバー状の血の塊が混じる人もいます。さらに、血液が黒ずむため、皮膚も透明感が失われてくすみ、カサカサしできたり、ホルモンバランスのくずれによって、ニキピができる人もいます。
生理痛によく効く薬は加味逍遙散(かみしょうようさん)、逍遙散(しょうようさん)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)などです。瘀血の解消には血液をサラサラにする冠元顆粒(かんげんかりゅう)があり、他の処方と併用すると効果的です。薬は2~3か月ほど続けるとしだいに症状がとれてきます。
肉類や甘いもののとりすぎは控え、日ごろから運動をこころがけます。
生理中は激しい運動をすると出血量が増えるので、気分転換をかねて軽いウォーキング程度にするとよいでしょう。
円形脱毛症は自然治癒することも多いのですが、再発しやすい疾患ですから、きちんと治療しておきましょう。
中国医学では、髪は血余といって、血液と同じものと考えられています。そこで増血と血行改善を行っていきます。増血には「婦宝当帰膠B」、「十全大補湯」などを、また血行の改善には「冠元顆粒」を用います。老化、アレルギーなど、ホルモンバランスが原因と思われる場合には肝腎の強化も必要で、「杞菊地黄丸」や「何首烏」を。ストレスの緩和のためには「逍遙散」「抑肝散」などを用います。
男性に伍して仕事をしている女性は、休日にはお茶やお華など、女性らしい趣味を楽しんだり、和服でくつろぐなど、精神面でもバランスをとるようにするといいでしょう。
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