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ケース9 糖尿病
糖尿病
先日会社の定期検診で血糖値が高いといわれました。糖尿病は老人の病気だとばかり思っていたのですが。
糖尿病は、日本では500万人ともいわれていますが、決して老人だけがかかる病気ではりません。
糖尿病にはインスリン依存型と非依存型があり、圧倒的に非依存型が多いのですが、依存型は子どもや若年者が多いのが特徴です。
糖尿病の遺伝的因子をもっている人は、肥満や運動不足、過食など悪しき生活習慣を続けていると、若くても発病する例が少なくありません。糖尿病はそれ自体で死ぬようなことはまれですが、あらゆる成人病の推進役を果たします。血糖値が高ければ、今から食事や運動など、日常生活をきちんと管理して病気が進まないように注意しましょう。糖尿病はインスリンが不足する病気です。インスリンは体の細胞がぶどう糖を取り入れるためになくてはならないホルモンで、このインスリンが不足すると細胞はエネルギー源を取り込めなくなり、血液中に過剰にぶどう糖が蓄積されます。
日本人は5人に1人が糖尿病の遺伝因子をもっているといわれていますが、必ずしも発病するわけではなりません。遺伝因子をもっていても、過食や運動不足にならないように注意していれば無事に一生を終えることができます。
しかし、いったん発病してしまえば、食事制限や運動など生活上の管理は一生続けなければなりません。依存型は毎日インスリン投与が必要で、これがなければ生命を維持することは困難ですが、非依存型は日常生活で気をつけていれば病気の進行をくいとめることができます。
糖尿病は、初期には自覚症状が少なく、あなたのように健康診断や血液検査などで発見されることが多いものです。
のどがかわく、トイレが近くなる、飢餓感が強い、疲れやすくなる、やせてくるなどの症状が現れますが、これはかなり時間が経過してからの話です。
糖尿病になった人は過去に肥満していたことのある人が多いのですが、病気が進むとやせてきます。
中国医学の古典には、「消渇病」というのがあります。
身体が著しく消耗して口が渇く病気ですが、これは糖尿病に非常に近いものです。
しかし、必ずしも糖尿病だけに限らず、糖尿病予備軍をも含んでいます。
糖尿病予備軍の人は、数値上は必ずしも血糖値が高いわけでもなく、尿糖が出ているわけでもありませんが、状況によっては糖尿病に変化する可能性があります。
消渇病では、ベースに「腎」の弱りがあります。体が冷える人は八味丸を。ほてって微熱が出る場合には八仙丸か、六味地黄丸を用います。糖尿病で白内障や眼精疲労などが起きたら、杞菊地黄丸を用います。のどの渇きが強い場合は、白虎加人参湯と八仙丸を併用します。
食事は1日1700キロカロリー以内におさめ、この範囲内でバランスよく食べます。
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記事監修
猪越 恭也(Yasunari Ikoshi)
- ・薬剤師
- ・東京薬科大学附属
社会医療研究所 教授 - ・長春中医薬大学
客員教授 - ・日本中医学会理事
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